川のように文章が続いて、引き込まれるノンフィクションです。
テーマは北朝鮮へのエクソダス(通例:多くの人が出て行くこと、移民団などの
出国、離郷、移住)です。
分かりやすく言うと北朝鮮への帰国事業について書かれた本です。
なんだろうな、物語の色が強いからか読みやすいです。
いろいろなノンフィクションを読むと、ひたすら引用ばっかりで著者の
解釈があまり載ってないことが多いんですが、これは著者の解釈が
読み手を惹きつけます。
なんて言うと伝わりますかね。
なぜ1959年から1984年の終了までに9万3340人が北朝鮮へ渡ったのか。
その謎の回答を求めてその帰国事業の船出の直前の様子を描写することから始めて、
スイスジュネーブ、オーストラリア図書館、その他膨大な資料を読み込み
それを、一つの群像劇に仕立て上げたと言ってしまっていいのかなと思います。
日本、北朝鮮、韓国、日本赤十字、赤十字国際委員会、アメリカ、ソ連の思惑が
交差し絡まる、非道な物語です。
2016年11月29日
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください
この記事へのトラックバック


