2017年03月05日

*読書日記『ジョージと秘密のメリッサ』アレックス・ジーノ

男の子として生まれたけれど、心は女の子という
いわゆるトランスジェンダーを描いた児童書です。

作品は主人公のジョージが「シャーロットの贈り物」
という劇の女の子役を演じることができるかという重要な
イベントを中心に話が進みます。

女の子役を演じるということで、どうやって話を(周囲を)
納得させるかということが焦点になると思ったのですが
そこらへんは周囲に理解を求める(環境調整)ではなく
ちょっと無理やり出演するという流れになりました。

私が気になったのはその環境調整のくだりだったので
少し残念でした。

もちろん、作品としては納得がいきます。
というのもジョージがその役を演じたい最大の理由は一つだからです。
母親に自分は女の子であるということを理解してもらうこと。
そしてそれは達成されます。

教師や同級生に理解してもらうというのは、重視していなかったから、
その辺りの描写は次に置いたということなのだと思います。
ジョージの母親曰く「一歩ずつ、進んでいきましょう」ということなんでしょうね。

シャーロットの贈り物という話は実在していて、邦訳もあるみたいなので
読んでみたいと思います。
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2017年02月19日

*読書日記『1998年の宇多田ヒカル』宇野維正

「それでもなお、彼女たちには自分から語らないことや、インタビューの席で誰からも
面と向かって訊かれなかったことがあります。その『語られなかったこと』
『訊かれなかったこと』に興味深い真実が隠れているのです」(p.18)

実にシャーロックホームズ的な前書きで始まるこの本は、1998年の宇多田ヒカル、椎名林檎、
aiko、浜崎あゆみをそれぞれインタビューや背景などから分析したものです。
曰く音楽業界の終わりの始まりの年だったと著者は結論付けています。

タイトルの「1998年の宇多田ヒカル」、すごく刺激的な書名をつけたなと思います。
1998年というと私は記憶はあるけど結構あやふやな時期で、でもautomaticのメロディーは
強く印象に残っています。
当時は姉の影響を強く受けていて、姉は宇多田ヒカルにすぐ飛びついていました。
もちろん椎名林檎のにも。
aikoと浜崎あゆみには姉はあまり反応してなかったですね。
当然私もあまり興味を持ちませんでした。

ああ、タイトルの話をしたかったんだった。
1998年の椎名林檎じゃだめだったのは、影響力もさることながら
その文字面が決め手になったんじゃないかなと思います。
数字、漢字、ひらがな、カタカナ。
日本語で使われる表記を全部使ったこの書名は秀逸だと思います。

身近にいそうで、でもなんとなく謎をはらんでいて、都市的でオシャレ。
宇多田ヒカルのイメージは私の中でこんな感じなんですが、そんな私が
思わず手に取った1冊です。

宇多田ヒカル、椎名林檎、aiko、浜崎あゆみ、それぞれに章があるので
誰か1人のファンって人はきっと興味深く読めると思います
posted by はぴたん at 20:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月12日

*読書日記『ドミノ』恩田陸

27人と1匹が主人公で、たった376ページに彼らが等しく活躍する物語です。
舞台のオーディションに出る少女、月末の締め日に大きな契約を抱える保険会社の社員、
その他諸々、登場人物がそれぞれの事情を抱えて行動した結果、ドミノのように
話が動き出します。

気になる「どらや」の紙袋、人からもらったカルピスには要注意。
スピード超過には気をつけて。
色々と印象的なエピソードはあるのですが、詳しく書くとネタバレになってしまうので
控えます。
これだけの人数をきちんと描きつつちゃんと風呂敷をたためるってすごい。

だいぶ駆け足で読んでしまったのでもう一度読んで味わたいです。
解説は米原万里、嘘つきアーニャの真っ赤な真実もまた読みたいな。
posted by はぴたん at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月05日

*読書日記『殺人者たちの王』バリー・ライガ

さよならシリアルキラーの続編。
大量殺人鬼の父親に育てられた青年ジャズが連続殺人事件を解決していく話です。
ジャズには彼女のコニーを大切にして欲しい、というのが前作の感想でしたが
あの聡明で優しかったコニーがあんな風になるなんて・・・という感じです。

作者はかなり名前というものを重視している気がします。
小説の始まる前に登場人物名の説明があるのですが、そこにコニーの家族の
名前を出しておいて、冒頭直後に同じ名前の違うキャラクターを殺しています。
そういえば、ジャズの父親はビリーという名前ですが、ジャズの父親代わりに
あたる人はウィリアムズという名前です。
(ビリーはウィリアムズという名前の省略形)

この名前にこだわる作者が次の最終巻でどんなまとめをして来るのか楽しみです。
そんなこんなで本を読みつつまた裁縫もしています。
今日は朝からダッフィーのセーラー服を作ってました。
ハート柄に茶色とバレンタイン要素を散りばめたつもりなんですが、
あんまりバレンタインっぽくまらなかったのが残念。
バレンタインらしさとは何かというところですね。

image.jpegimage.jpeg
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2017年01月31日

*読書日記『また、桜の国で』須賀しのぶ

須賀しのぶ、直木賞候補にノミネートされましたね。
受賞出来なかったのは残念ですが、選ばれただけでも十分嬉しいです。
だからというわけではなく、ちょうど図書館で予約の順番が来てこのタイミングで
読むことができました。

話は第二次世界大戦直前のポーランド。
主人公は棚倉慎という外務書記官です。
話としては同じく須賀しのぶの『神の棘』に近い感じで、歴史の真っ只中で
個人として何が出来るのか、出来ないのか、それをテーマにした作品です。

これを読んで感じたのが、須賀しのぶは本当に歴史が好きなんだなという
愛情です。
流血女神伝シリーズでも片鱗は示していましたが、『神の棘』『革命前夜』と続いて
『また、桜の国で』を読むとああ史学科卒って本当に好きで入学したんだろうなと
思わされます。

コバルト文庫ではもう書かないだろうと以前インタビューで仰ってましたが、
須賀しのぶがこのままの路線を貫いてくれるならば、コバルト卒業は仕方ないかなと
思うようになりました。

約500ページ、結構気合いが必要ですが、戦争が始まった辺りから急激に面白くなるので
150ページ目くらいまではとりあえず読んでみてください。
posted by はぴたん at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする