久しぶりの読書日記です。
内容をまとめるという要約の練習のためにしばらく頑張ろうと思います。
さて、脳コワさんとは「病名や受傷経緯が異なっていても、脳に何らかのトラブルを抱えた当事者のこと」を指します。
著者の鈴木さん自身も脳梗塞により高次脳機能障害を持った当事者だそうです。
本書では、脳コワさんがケアを受けにくい状況を問題提起しています。
その脳コワさんが抱えている苦しみを解消するためには、援助者だけでもなく、当事者だけでもなく、双方が歩み寄る姿勢が必要だと著者は言います。
そしてこの本が脳コワさんからの歩み寄りの一歩だとしたいとのことでした。
脳コワさんは、適切なケアを受けられずに苦しんでいる方が多いのは、以下の4つの理由のためだと提示しています。
1つ目は、聞き取りの壁
2つ目は受容の壁
3つ目は言語化の壁
4つ目は自己開示の壁
以上です。
これらの詳細はぜひ本書を読んでいただきたいのですが、私が読んで感じたのはそれぞれ(特に言語化の壁と聞き取りの壁、自己開示の壁)が強くリンクしているという点です。
様々な事情があって、脳コワさんが言語化が難しい、更に援助者の想像力の不足などがあって、聞き取りが適切に行われていない。
頑張って言語化して自己開示をしても、適切な援助を受けられなかった経験など、さまざまな要素か絡み合っています。
本書では、病前リハ(リハビリ室の中だけではなく、実際の病気前の生活の状況に合わせたリハビリなど)を提案し、より脳コワさんの抱えている負担を減らそうということも書いてあります。
本文中にもありましたが、過去の職歴で挫折があった場合、どんな状況が苦手でどういう状況であればよりその人の能力が生かせるのか詳細な聞き取り(スクリーニング)が今の私にとっては必要だと感じました。
援助者の方も、当事者の方も、わかりやすい上に読みやすいので、ぜひおすすめです。