赤いコートを着て軽やかに舞う女の子が印象的な表紙です。
『ピアノをきかせて』は、ピアノが弾けなくなった姉を救うために
音楽劇に参加する響音という女の子の物語です。
主人公の祖父が陶芸にはまって、庭に窯を設けているとか、
お家にグランドピアノがあるという点から、
それなりに経済的に豊かな家庭なんだなということがわかります。
そういう点にしか目がいかない自分がかなり残念だとは思いますが、
家族がジグソーパズルのようだという比喩や、口語的な会話など
なんかひっかかりがあって、あまり面白く読めませんでした。
エンターテイメントとしては、衣装係として舞台に貢献する姉や
ダンスや歌で努力する主人公など、見所はあると思います。
もうちょっと余裕がある時に読めば少し違う感想になるかもしれません。
2018年08月31日
2018年08月23日
*読書日記『朝鮮大学校物語』ヤンヨンヒ
タイトルの通り、朝鮮大学校を舞台にした小説『朝鮮大学校物語』です。
日本の中の北朝鮮と呼ばれているらしく、今までほとんど創作の題材にならなかったそうです。
作者はヤンヨンヒさん、「かぞくのくに」という映画で有名な映画監督です。
主人公はパクミヒョンという演劇好きな女の子。
大阪の朝鮮高校を卒業して、武蔵野にある朝鮮大学校に入学するところから話が始まります。
分単位で決められているスケジュール。
革命、忠誠、祖国、色々なキーワードが主人公をがんじがらめにしようとしていきます。
が、そんな中ある青年と出会います。
ここから始まるラブストーリーがまたヒリヒリしてしんどい。
国籍とか、マイノリティであることを「気にしないよ」って態度はひどく傲慢な態度なんだと
思い知らされました。
おそらく実体験がベースになっていると思われるので、どこからどこまでが創作なのか
はっきりしないのが面白いです。
とにかくページを繰る手が止まらない。そんな青春文学でした。
日本の中の北朝鮮と呼ばれているらしく、今までほとんど創作の題材にならなかったそうです。
作者はヤンヨンヒさん、「かぞくのくに」という映画で有名な映画監督です。
主人公はパクミヒョンという演劇好きな女の子。
大阪の朝鮮高校を卒業して、武蔵野にある朝鮮大学校に入学するところから話が始まります。
分単位で決められているスケジュール。
革命、忠誠、祖国、色々なキーワードが主人公をがんじがらめにしようとしていきます。
が、そんな中ある青年と出会います。
ここから始まるラブストーリーがまたヒリヒリしてしんどい。
国籍とか、マイノリティであることを「気にしないよ」って態度はひどく傲慢な態度なんだと
思い知らされました。
おそらく実体験がベースになっていると思われるので、どこからどこまでが創作なのか
はっきりしないのが面白いです。
とにかくページを繰る手が止まらない。そんな青春文学でした。
2018年08月03日
*読書日記『家族収容所』信田さよ子
久しぶりの読書日記です、やっと身の回りが落ち着いてきました。
とはいえ、自分の中の読書日記フォーマットを忘れて来たので
ざっくり本の紹介をして終わりにします。
今回紹介するのは家族収容所というちょっと物騒なタイトルの本です。
ロマンチックラブイデオロギーは破綻しているけど、それでも
結婚にしがみつくしかない女性たちを肯定するため本です。
曰く「自覚された生存戦略は肯定されなければいけない」。
「自分はこういう境遇にあり、こういう選択をして、こういう
つまらない夫と、砂を噛むような生活を自覚した上で
『でも今の私はここで生きてくしかない』という生き方は肯定されるべきで、
それに対して、私たちは文句を言うべきではないという意味」だそうです。(255ページ、下線筆者)
重要なのは自覚があることで、それに気づかないふりをしたり、他のことでごまかそうとする
ことは無意識に新たな加害者になる可能性があるからです。
色々な女性が本書の中で紹介されていました。
どんなに殴られても逃げない女性はどんな心理なのかを解説してくれています。
私自身、いわゆるアダルトチルドレンと呼ばれるタイプなので、
なんとなく共依存に至る感じとか妙に共感しながら読みました。
引用したような自覚した生存戦略を取るためには知識が必要です。
学び続ける行為が今求められてるんだなと、ちょっと最近の自分を省みて思いました。
とはいえ、自分の中の読書日記フォーマットを忘れて来たので
ざっくり本の紹介をして終わりにします。
今回紹介するのは家族収容所というちょっと物騒なタイトルの本です。
ロマンチックラブイデオロギーは破綻しているけど、それでも
結婚にしがみつくしかない女性たちを肯定するため本です。
曰く「自覚された生存戦略は肯定されなければいけない」。
「自分はこういう境遇にあり、こういう選択をして、こういう
つまらない夫と、砂を噛むような生活を自覚した上で
『でも今の私はここで生きてくしかない』という生き方は肯定されるべきで、
それに対して、私たちは文句を言うべきではないという意味」だそうです。(255ページ、下線筆者)
重要なのは自覚があることで、それに気づかないふりをしたり、他のことでごまかそうとする
ことは無意識に新たな加害者になる可能性があるからです。
色々な女性が本書の中で紹介されていました。
どんなに殴られても逃げない女性はどんな心理なのかを解説してくれています。
私自身、いわゆるアダルトチルドレンと呼ばれるタイプなので、
なんとなく共依存に至る感じとか妙に共感しながら読みました。
引用したような自覚した生存戦略を取るためには知識が必要です。
学び続ける行為が今求められてるんだなと、ちょっと最近の自分を省みて思いました。