2016年05月15日

*読書日記『植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ』田中修

書籍名:植物のあっぱれな生き方 生を全うする驚異のしくみ
著者:田中修
出版社:幻冬舎新書

全部は読み切れないまま図書館に帰しちゃったのですが、特に印象に
残ったところだけ記録しておきます。
それは植物は触ると太く美しく育つということ。
どうも植物は撫でたり触ったりされるとエチレンというホルモンが
発生するそうで、そのエチレンの効果によって「茎の伸びを止めて背丈を
低いままにして、茎を太くたくましくする作用」があるそうです。(p.32)

今私の家では小さいブナを育てていて、普段水やりの時には触ったりは
してなかったのですが、この箇所を読んでたまに葉っぱを触ったりして
います。
しかしながらブナの成長は遅い方なのでそれが目に見えて分かるのは
ずいぶん先になりそうです。

こんな感じで、植物のしくみを色々な例を挙げて説明してくれているので
読みやすい上に面白いです。
タンポポは栄養豊富な土で育つと葉っぱが40~50cmくらいになるといった
雑学も仕入れられます。


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2016年05月10日

*読書日記 『怒りのセルフコントロール 感情への気づきから効果的コミュニケーションスキルまで 』マシュー・マッケイ、ピーター・D・ロジャース、ジュディス・マッケイ

書籍名:怒りのセルフコントロール 感情への気づきから効果的コミュニケーションスキルまで
著者:マシュー・マッケイ、ピーター・D・ロジャース、ジュディス・マッケイ
出版社:明石書店

DBT関連の本を探しているときに見つけた本。

自分の怒りについて心配している人、自分の怒りが引き起こす感情、
身体的ダメージに疲れてしまった人のための本だそうです。(p.14)

自分自身はあまり対人関係に影響を与えるほどの怒りで困っていることが
少ない方だと思っているのですが、怒り以外の感情にも使えそうと思い
ちょっと読んでみました。

この本も「パートナーとこじれた」に引き続き膨大な練習を求める本です。
毎日怒りの尺度日記を付ける、1週間何事も思いこまないことを続ける、
3ヶ月怒りの内容について日記を付ける等々。
実践できたら自分の思考を客観視できるようになって、感情コントロール
が楽になるだろうなとは思います。
が、今回は練習課題を全然試していません。

なので、印象に残った部分だけ紹介します。
怒りには「嫌悪の連鎖反応」によって強まる性質があって、たいていそれは
「小さい出来事から始まり、予想できる進行をしながら発達します」(p.154)
連鎖なので最初の輪は長く続きませんが、嫌悪の連鎖が30秒以上続くと
怒鳴ったり脅かしたりすることが始まる可能性が高くなります。
最終的に「引き金行動」と呼ばれる皮肉を言ったり不平を言ったりする
行動で放棄や拒否の感情(怒りに怒って最後に出てくる感情ですね)に
結びつくそうです。(同上)

そういった嫌悪の連鎖反応の対処法の一つとして、「タイムアウト」と
いう手法が紹介されています。
タイムアウトというのは会話の途中で、感情が高ぶってきたらその場を
離れ物理的にも時間的にもしばらく距離を置くことです。
タイムアウトは原則として1時間程度距離を置くのが良いとされています。
そして大事なのは頭を冷やして約束の時間がきたら相手のところへ戻ることです。
(p.165)
必ず相手の元に戻ることで両者への信頼関係が育っていくからだそうです。

でもタイムアウトも万能ではなくて、「相手との接触を避けたり、どんな
ものであれ楽しくない話し合いの機先を制したりするためにだけタイム
アウトを使えば」失敗に終わります。(p.167)

タイムアウト手法、発達障害の教育関連でよく見かける単語で、私自身
過去にやったことがあります。
その時はカウンセラー相手とかで5分とか3分とか短い時間だったんですが
場所を変えるだけでかなり気分がそらせると思いました。

この本で私がポイントだと思ったのは事前に練習することです。
実際にタイムアウトを取りたくなるほど感情が高ぶっている時って、
気持ち的に行動に移すのが嫌になることがあると思うんですね。
「なんで私が移動しなきゃいけないんだ」とか「相手が悪い」とか。
実際に行動に移せるかどうかも大事ですが、事前に練習しておくことで、
少なくとも言い出すことへの抵抗が減るはず。

タイムアウトは自分で機会があったら実践してみます。

で、この本には親として子供に対して怒りを感じたときにどう接するか
についても書かれているんですが、そこがまた微妙に私の過去をくすぐるくすぐる。
私は親から承認(肯定)されていなかったから、こんなに自己否定感が
強いのかとか、いつも誰かの上に立ってる感じがない(マウンティング
できない)といらいらしちゃうんだよねとか、自分があまり見たくない
ことも直視できました。
posted by はぴたん at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月01日

*読書日記『帰還兵はなぜ自殺するのか』デイヴィッド・フィンケル

書籍名:帰還兵はなぜ自殺するのか
著者:デイヴィッド・フィンケル
出版社:亜紀書房

原著タイトルは「THANK YOU FOR YOUR SERVICE」、勲功に感謝をといった
意味でしょうか。
アフガニスタンやイラクに派兵された兵士達が帰国後、ひどい鬱やPTSDに
苦しめられている人々(兵士やその家族)の様子を描いたノンフィクションです。

冒頭からうっとなるような描写があって読み切れるかなと心配だった
のですが、途中からなんだか距離を取ることが出来たので全部読めました。

ある兵士は言います。「悪霊のような物に取りつかれずに帰ってきた者は
ひとりもいないと思う。その悪霊は動き出すチャンスをねらって
いるんだ」と戦争に行く前と変わってしまった自分のことを語ります。(p.17)

また軍隊での元上司に「お前は何も悪いことはしなかった」と言われた
トーソロという兵士は「わかってる」と応じられたらどんなに良いかと
思う反面、同時に自分が悪いことをしたことが分かっていると仲間を
助けられなかったという思いに囚われています。(p.226)

この2つの場面は、私とは全く異なる経験をしているというのに、なぜか
すごく腑に落ちたのです。
たぶん、自分のコントロールから外れている感じ、全く制御できない何か
に対しての無力感に共通する何かがあるんでしょうね。

この本では派兵後、戻ってきた夫の大きな大きな変化や状態に向き合う
家族の様子も描かれています。
暴力を振るわれたり、喧嘩ばかりしあったり。

夫を自殺で亡くしたクリスティという女性はカウンセラーからPTSDと
診断され、「フィーリング・ワード・リスト」なるワークを与えられます。
それは347語の感情を表す単語の中から一つの単語を選び、それを
「いま感じている」「感じていた」という文章とともに書くというものでした。
(p.226)

(余談ですが、初めて聞いたので検索をかけてみたんですが、日本語だと
あんまり参考になりそうなページはありませんでした。英語のサイトで
感情を示す単語を羅列したサイトはありました)

今回引用ばっかりの感想になってしまいましたね。
図書館で半月ばかり待って借りた甲斐がありました。
(なぜか分からないのですが、借りてる人が続出しているみたいです)

帰還兵が自殺する理由、それは名言はされていません。
目の前でこの本に書かれているような出来事があったら、帰国しても
その記憶が夢に出てくる、今までの家族との関係が変わってしまう、
もし自分の感情がコントロールできないほどになってしまったら、
これら全てもしくはそれ以上のことが起きたら自殺もしたくなるだろうと
いうことです。
posted by はぴたん at 18:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする