書籍名:怒りのセルフコントロール 感情への気づきから効果的コミュニケーションスキルまで
著者:マシュー・マッケイ、ピーター・D・ロジャース、ジュディス・マッケイ
出版社:明石書店
DBT関連の本を探しているときに見つけた本。
自分の怒りについて心配している人、自分の怒りが引き起こす感情、
身体的ダメージに疲れてしまった人のための本だそうです。(p.14)
自分自身はあまり対人関係に影響を与えるほどの怒りで困っていることが
少ない方だと思っているのですが、怒り以外の感情にも使えそうと思い
ちょっと読んでみました。
この本も
「パートナーとこじれた」に引き続き膨大な練習を求める本です。
毎日怒りの尺度日記を付ける、1週間何事も思いこまないことを続ける、
3ヶ月怒りの内容について日記を付ける等々。
実践できたら自分の思考を客観視できるようになって、感情コントロール
が楽になるだろうなとは思います。
が、今回は練習課題を全然試していません。
なので、印象に残った部分だけ紹介します。
怒りには「嫌悪の連鎖反応」によって強まる性質があって、たいていそれは
「小さい出来事から始まり、予想できる進行をしながら発達します」(p.154)
連鎖なので最初の輪は長く続きませんが、嫌悪の連鎖が30秒以上続くと
怒鳴ったり脅かしたりすることが始まる可能性が高くなります。
最終的に「引き金行動」と呼ばれる皮肉を言ったり不平を言ったりする
行動で放棄や拒否の感情(怒りに怒って最後に出てくる感情ですね)に
結びつくそうです。(同上)
そういった嫌悪の連鎖反応の対処法の一つとして、「タイムアウト」と
いう手法が紹介されています。
タイムアウトというのは会話の途中で、感情が高ぶってきたらその場を
離れ物理的にも時間的にもしばらく距離を置くことです。
タイムアウトは原則として1時間程度距離を置くのが良いとされています。
そして大事なのは頭を冷やして約束の時間がきたら相手のところへ戻ることです。
(p.165)
必ず相手の元に戻ることで両者への信頼関係が育っていくからだそうです。
でもタイムアウトも万能ではなくて、「相手との接触を避けたり、どんな
ものであれ楽しくない話し合いの機先を制したりするためにだけタイム
アウトを使えば」失敗に終わります。(p.167)
タイムアウト手法、発達障害の教育関連でよく見かける単語で、私自身
過去にやったことがあります。
その時はカウンセラー相手とかで5分とか3分とか短い時間だったんですが
場所を変えるだけでかなり気分がそらせると思いました。
この本で私がポイントだと思ったのは事前に練習することです。
実際にタイムアウトを取りたくなるほど感情が高ぶっている時って、
気持ち的に行動に移すのが嫌になることがあると思うんですね。
「なんで私が移動しなきゃいけないんだ」とか「相手が悪い」とか。
実際に行動に移せるかどうかも大事ですが、事前に練習しておくことで、
少なくとも言い出すことへの抵抗が減るはず。
タイムアウトは自分で機会があったら実践してみます。
で、この本には親として子供に対して怒りを感じたときにどう接するか
についても書かれているんですが、そこがまた微妙に私の過去をくすぐるくすぐる。
私は親から承認(肯定)されていなかったから、こんなに自己否定感が
強いのかとか、いつも誰かの上に立ってる感じがない(マウンティング
できない)といらいらしちゃうんだよねとか、自分があまり見たくない
ことも直視できました。